一年前のパリ

2017.05.06 Saturday

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    髭を伸ばしていたのだ。どんなだろうな、という好奇心だけで。すでに10センチ以上になり、しかと握れるほどに達していた。そんな折のパリでの個展であった。1年前の今日の写真である。フランス人ギャラリーオーナーの奥方と収まっているが、どういう状況だったかよく覚えていない。ちょっと照れているようでもあるから、何かの会話があったのだろう。うつむいているので、わかりずらいが、しっかりとした髭面である。髭で坊主頭なので、なんとなく目立つのだが嫌になって、もうやめてしまったが、写真を見るとそんなに悪くない気もする。だが、もうやらないだろうな。顔立ちと妙にはまって宗教家のように見られがちで、合気道で道着姿になれば、先生のようにもなってしまい、なんだか申し訳なくなるのだ。見れば派手なコートまで着ているから、いったいどういう気だったのか。きっと春だったのだろう、頭の中が。まあ、それも過ぎてしまったこと。晩年に髭を短くしていた、もしくは剃ったりしていたジョン・レノンさんのようにしてこれから過ごすとしよう。そういえば、偉人と呼ばれるような歴史上のビッグマンは、髭の人が多い。きっと今よりも普通のことだったのかもしれない。目の前の本棚にはニーチェさんの髭面があるが、東西問わずに、髭は普通だったのだろう。そういえば友人の11際の息子くんにもうっすらと髭が見え始めてきた。彼もいつかは伸ばしたりするのだろうか。髭が似合うねとか言われたり、好きな女の子から、髭は好きじゃないとか言われたり、いろいろあるのだろうか。そういえば、僕が始めて髭を剃ったのはいつだろう。全く覚えていない。きっと父のT字を使ったのだろう。男たちは髭を剃ることを繰り返しているのだな。よく考えると地球上の男たちが毎朝せっせと髭を剃っているのは、妙な感じである。


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