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2018.08.20 Monday

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    SIGMAの広報誌SEIN

    2017.05.21 Sunday

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      iphone7+

      カメラ業界でもその独自性で名を馳せるSIGMAさんの広報誌SEINの表紙巻頭を担当させていただいた。もともとコンパクトカメラであるDP2メレルを愛用していたのだが、ちょっとした偶然が重なって、同社のカメラを使わせていただく機会を得てからずっと手元にある。フォビオンという名のセンサーは他社にはない表現性を持っていて、それが欲しい時には代えのきかないカメラとして重宝している。山河草木を撮る時の描写は特にお気に入りなのだが、人物撮影に今回使ってみて、その適正も確認できた。本来SEINはSIGMAさんの会員向けの冊子なのだが、写真量販店の店頭などにも置いてあるので、ぜひ手にとっていただきたい。できあがったSEIN12号を手にしながら、そこに写っているものを改めて見つめていると、写真の時間を止めてしまう力を、今更ながら不思議だなあと思う。そこに写っているのは過去の時間であって、もう二度と帰ってこない。草と森と人物。とてもとてもさり気ない撮影の結果として残っているのは、しっかりとした存在感であり、対象自体が、撮影者や被写体自体からも忘れられてしまう記憶に、ささやかな抵抗を試みているかのようだ。僕たちは、覚えていることよりも忘れてしまうことの方が多い。きっとそれでいいのだろうけど、この事実は時に、ただ、ただ、切ない。切られた髪もやがて伸び、元の長さを取り戻す。枝はやがて新しい蕾を宿す。その変化や回帰の果てにある幸福を願ってやまない。

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