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2018.08.20 Monday

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    沖縄に戻って

    2017.05.02 Tuesday

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      iphone7+
       
      4月も終わり、5月を迎えた最初の日に、沖縄に戻った。三週間ぶりだろうか。今年は沖縄に居つくことが稀で、延べにしても一ヶ月ほどしかいないのではないか。ふらりが好きとはいえ、自分のベッドが遠い日々に、こういう暮らしがいつまで続くのだろうとぼんやり思う。沖縄に戻ると、やはり海が見たくなる。自宅の庭から遠くに東シナ海が見えるのだが、やはり浜に下りたい。夕刻を待って、馴染みの場所を訪れると、太陽が水平線へと落ちていく頃だった。アメリカ人の恋人どおしが二人で寄り添っている。風もない静けさが心地よく、昼と夜との境が目の前にやってくるのだった。境というのは、ちょっと怖くて、そして崇高だ。人間とばかり付き合っていると、気づかない大きな何かを失いそうになるから、僕たちは夕刻の、この揺れるような境の時間に集まっては、空を見ることを好む。僕たちは大きくなろうとしていることもあるけれど、その反面に、自分の小ささを確認したくもあるのだ。小さい自分に安堵する。大きくなりすぎるのは、疲れる。小さくなって、大きな優しい宇宙に守ってもらおうとする。それを僕たちはきっと信仰と呼ぶのだ。信じずにはいられない優しくて大きいもの。僕たちは子供の時ならそれを知っていた。夕刻は美しくて怖くて、でもやはり優しいのだと知っていたのだと思う。夕日も見ている人は、昼間のように数えたりしない。数えたり競ったりしないのだ。僕は沖縄の太陽を眺めながら、忘れ物がない気になっていった。だいたい、今ここにあるな、と。
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